ストーリー
1986年4月26日ソビエト連邦(現ウクライナ共和国)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉がメルトダウンの後に爆発、大量の放射能が大気中に放出された。周辺30キロ圏内の住民(12万人)は強制避難、多くの町や村が地図から消えることとなった。そして22年が過ぎた現在、少しずつではあるが、立ち入りが許されるようになっている。石棺された原子炉、そして隣接するプリビャチの街は、22年前のまま凍結し、人だけがいなくなり、いまでも世界一の「廃墟」として在り続けている。「エロス+廃墟」「廃墟幻影」など、廃墟映像の鬼才・田中昭二が自ら撮影編集した、その圧倒的な廃墟世界が、遂にDVDとして完成。コンクリートの塊と緑の自然との鮮やかな対比。置き去りにされたものたちに降り注ぐ光は、見えない放射能に影を落とす。震えるような繊細な視線によって切りとられた、20世紀の負の断片が黙して語るものとは何か……。