ストーリー
午後11時50分。その列車は、予定より10分早く、最後の運行に出た――。
ソウル発、麗水(ヨス)行き最終列車。オ・ミソンは先輩販売員の代わりに、その列車に乗り込んだ。順調に走行していた列車は、トンネル内で急停車。10分後、再び走り始めた列車に、ミソンはある異変を感じるようになる。先ほどと同じ車両。だがそこには、なぜか80年代の髪型や服装をした乗客の姿があった。偶然目にした新聞の日付は、1988年7月16日。それは16年前、100人あまりの死傷者を出した事件当日の新聞だった。
暴走する列車内で、次々に起こる奇怪な殺人事件。ミソンはそこで、父の死の真相を知ることになる。次第に紐解かれる16年前の事件と、乗り合わせた人々の共通した過去。誰が人間で、誰が亡者なのか。そして、列車の終着駅はどこなのか――。