ストーリー
第一部「忍秘影一族」（全１３話）
老中松平定信は、日向ノ国、高鍋城秋月山城守から、薩摩が「影」に手を伸ばしていると内々に情報をもたらされる。伊賀同心霧の遁兵衛は、老中定信より調査を命ぜられ薩摩に潜入する。しかし、薩摩に潜入し戻った隠密はなく、しかも、下関まで薩摩藩お庭番が勢力を張る。薩摩の狙いは九州を統一し、幕府を倒すために必要な九州諸藩の秘密を印す影一族が持つといわれる九州掌握天地の二巻である。影一族の副長、竜造寺丹波と配下の八天狗は、薩摩仕官を条件に薩摩に組する。遁兵衛の仲間と間違われ襲われた影一族の嫡子影真之介は、天地二巻を奪われたことを知り、取り戻すため丹波一党と斗いを展開する。一方、遁兵衛は「影」なる言葉と真之介が関係あると察し、真之介に近づき争いの渦中に巻き込まれて行く。
第二部「忍法薩摩秘帖」（全１３話）
再び九州に平和が戻り、阿蘇谷で田畑を耕やす影真之介、かなえ、大作。遁兵衛は任務を終え、一路江戸へ向かう。しかし、九州掌握秘巻、天地二巻と共に火口に消えたはずの竜堂寺丹波は、薩摩と手を組み次々と九州諸藩の家老を攫い、九州連合加盟を天地二巻を盾に脅し迫る。九州掌握秘巻が薩摩の手にあると知った真之介は、真意を確かめに薩摩へ向かう。一方、遁兵衛は丹波が生きていることを知る。正義と人々の平和のため、九州掌握秘巻、天地の巻を追う影真之介と霧の遁兵衛。九州掌握秘巻天地二巻をめぐり、薩摩を中心に再び争いが九州全土に展開する。
第三部「黒潮忍法帖」（全１３話）
嵐の中、伊豆七島を黒装束の一団が襲い、役人達と共に病に伏す老囚人、灘五兵衛が殺される。五兵衛の死を知った老中松平定信は、急ぎ霧の遁兵衛に命じ五兵衛の娘、静を見張らせるが、謎の一団に攫われた後だった。お静を助ける影真之介。真之介、遁兵衛は、定信より五兵衛が村上水軍の船頭の子孫であり、水軍の巨万の秘宝が隠されていると知る。その手掛かり、お静の持つ「守り袋」を狙い、海賦将軍村上水軍の末孫を名のる戸隠幻鬼と配下の黒潮党が松平邸を襲う。かくして村上水軍の秘宝をめぐり、影真之介と霧の遁兵衛は、人々の平和と正義のため黒潮党に立ち向かい、忍者合戦が展開する。