ストーリー
1941年6月22日、ソ連侵攻が始まる。ドイツ軍はわずか数週間でソ連の奥深くまで進軍。背後には特務部隊(アインザッツグルッペ)の存在があり、3000人が共産主義の知識人殺害に関与していた。「政治委員や、党や国家の要職に就いているユダヤ人」が対象で何千人もが犠牲になった。ヒトラーにとって「社会主義」と「ユダヤ人」は同一のものだったため、殺害された人々の大多数がユダヤ人だった。
やがて親衛隊の特務部隊は、年齢に関係なくユダヤ人男性を殺害するようになった。ウクライナやベラルーシ、バルト海沿岸諸国では、民族主義者らによって引き起こされたポグロム(破滅行為)で、多数のユダヤ人が殺害された。順調に進んでいたソ連での進軍も、やがて停滞する。パルチザンの抵抗は激しかった。
やがて特務部隊は、ある年齢以上のユダヤ人は男性も女性も殺害するようになった。残された子供たちさえも、やがて殺害された。
何十万人もの兵士が、ソ連のユダヤ人の組織的殺害というホロコーストの第一段階の証人となっている。彼らが故郷への手紙に書くことは、ほとんどなかった。しかし、休暇で帰国した際には、両親や妻に、このことを話していた。次第に大規模な虐殺の知らせは、人々の間に広まっていった。
ホロコーストが始まった。毎日、ベルリンの本部に、殺害した人数が無線で伝えられた。ロンドンでも密かに傍受されていた。ドイツの暗号は破られていた。イギリスはこの秘密を知っていて、書類に記していた。