ストーリー
第4話 「マロース」
勇午はリューバが入院している病院に現れた。大量の自白剤を投与され意識不明となっていたリューバ。必ず迎えに戻ると約束した勇午はブラゴベシェンスクにある秘密警察に向かった。その夜はマロースと呼ばれる零下40度を超える極寒波であった。凍結したアムール川を意識が混濁しながらも突き進む勇午。猛吹雪の中、半日で踏破し、勇午はオリガの前に現れた。驚くオリガ。それでも冷静に勇午の話しに耳を傾けるオリガ。そして自らの任務について、勇午に語り始めた。その話しを聞いた勇午はオリガに協力を請う。「私に裏切り者になれと言うの。」「君がなる必要はない。紹介してくれるだけでいい。」勇午の拷問の指揮を執ったヴィクトル中尉を裏切り者に仕立てる計略を立てた。
第5話 「指輪の記憶」
ヴィクトルと接触を果たした勇午。勇午はヴィクトルがリューバの自白剤投与を指揮した事を知ると、莫大な財産と指輪の関係を話し、わざと秘密警察に捕まった。捕まる際、勇午はヴィクトルとの裏金の取り引きについてほのめかし、疑いの目をヴィクトルに向けさせた。間もなく査問会の訊問を受けるヴィクトル。用意周到な勇午の策にヴィクトルは背任の疑いをかけられる。そしてついに秘密警察の総指揮を執るガラーホワ少将のいるイルクーツクに勇午とヴィクトルは移送された。待っていたのはこれまで以上に凄惨な拷問であった。ガラーホワはまずヴィクトルを訊問した。指輪の秘密について問う。しかしヴィクトルは答えられない。それもそのはず、彼は指輪に刻まれている番号しか知らず肝心の指輪の秘密を解く鍵を知るはずもなかった。命を請うヴィクトル。しかしガラーホワはヴィクトルの身体にガソリンをかけ、マイナス30度の外気を入れる。錯乱したヴィクトルは自らの身体にライターの火をつけ、凄惨な最期を迎えた。つづいて勇午を拷問にかけるガラーホワ。「ロシアを愛していない者に、指輪の謎は永久に解けない」その勇午の言葉にガラーホワは怒る。そして大量の自白剤投与を指示した。