ストーリー
東京を舞台に、自らの足で「走る」事を余儀なくされた若者。 それは、悪魔のような「犯罪ウィルス」がもたらす地獄。
第1章
フリーター高杉裕の携帯が鳴る。会員登録をしていたアルバイト会社「RUN」が、配達の仕事をすれば100万円を支払うと言う。
怪しい申し出を不審に思うが、裕にはどうしても金が必要な理由があった。それが地獄の始まりだった。
指定された場所に辿りつくと裕を待っていたのはピストルを持つ少女、水木レイ。
2人はゴーストと呼ばれる犯人によって議員殺害事件の犯人にされ、警察やスナイパーの執拗な追跡を受けながらも必死に走る。運ばされている品物は「生きている心臓」。腕につけられたブレスレットは爆弾。これは「RUN60」と名付けられた、命を賭けたギャンブルゲームだった。
逃走の中で明らかになるレイの衝撃の事実と裕の悲しき過去。
狂気に満ちたゲームの道具にされた2人が、刻一刻と近づく爆破時間と戦いながら東京の町を疾走する。
第2章
ダンサーになる夢を持つ若者・楠野孝雄が謝礼目的にアクセスしたサイト。「あなたの大切な人を5人選んで下さい」と言う質問に答えた時、再び悪夢が始まる。
ピエロと名乗る男から「お前が大切だと思う人間を守りたければ、ブレスレットをつけて指示された場所へ走れ」と脅される孝雄。
悪い冗談だと真に受けなかったが、アンケートで名前を書いた人物が次々と死んでいく。
孝雄は恋人と母、そして親友を守る為に走り始める。
同じ頃、警視庁の刑事、中塚は裕とレイの事件に大きな闇が存在する事を感じ取り、科警研の天才と謳われた科学者・桑田、そして敬愛する上司森沢と共に、捜査を開始する。
第二の犯人ピエロはオンライン上に「RUN60」というゲームを作り、孝雄の走るシーンをアバターとして全世界に公開して楽しんでいた。
命がけで走る孝雄はピエロから恐るべき提案が告げられる。恋人か母親かどちらか助ける方を選択する。つまり、どちらかを見殺しにしろいう悪魔の言葉だった。
苦悩する孝雄は決断を下す。
第3章
社会に無数に存在する監視カメラ、携帯カメラなどの映像をハッキングして無限に追跡し、その腕にはめた爆弾ブレスレットで目標を意のままに走らせる恐怖の「マウスシステム」。
一体誰が何の為に作ったのか。中塚、桑田、森沢は警察という組織から逸脱しながら懸命に見えない敵を追い続ける。
しかし凶悪な魔の手は既に動き始めていた。
卑劣な犯人は、中塚の恋人である陽子を襲い、森沢の娘優香にも迫る。中塚は自ら爆弾ブレスレットを腕に装着し、夜の街を走る。愛情と不安。
信頼と疑惑。ただ一人残された中塚が最後の敵を追い詰める。愛する人を守ることが出来るのか。真の敵は一体誰なのか。
そしてマウスシステムに込められた恐るべき計画。
全ての事件と謎が明らかになる時、驚愕の真実が見える。